失敗した凧あげから…

室内で飛ばして遊んでいた紙飛行機にひもをつければ、凧あげができるのではないかと考えた4、5歳児。お手製の紙飛行機凧を持って走り出しました。ひもで引っ張られた飛行機はくるくると回っていたり、引きずられているような感じです。ちょっとはあがっている感覚があるのか、しばらく走ったり止まったりを繰り返した子どもたち。

保育者が「どんな風になると思ったの?」とか「どういう風にしたかったの?」と尋ねると、「ひもを長くしたから、高く上がると思った。」「ひもが(斜め上に)まっすぐになると思った。」と話す二人。

二人の子どもにはそれぞれ、凧あげについてイメージがあり、考えて遊んでいたのですね。

そして最後に「やっぱり凧を作らないとだめなのかあ。」と呟いたので、凧を作るためのサポートをしようと保育者は思いました(子どもにも作れる簡単なもの、上りやすいもの、より高く上げるための工夫が可能なものがよいでしょう)。

さて、紙飛行機凧が思ったようにいかなかった二人に、それよりはおもしろく遊べるのではないかと思った保育者が、自分が持っているレジ袋に紐をつけて走ってみることを提案しました。

はじめは、下の写真のような凧あげの格好でしたが…

何がきっかけだったか、帽子のベルトに紐を結んで走り出しました。

やっている本人たちはもちろん、見ているこちらも面白いのです。

袋がまん丸に膨らみ引っ張られる様子も面白いし、引っ張っている感覚もあるのでしょう。

途中からズボンのベルトの穴に紐を結びつけて走るアレンジ。

ひもを手に持って走るのとは違って、走りやすいようですね。

よく膨らんだレジ袋が地面スレスレについていきます。しばらく走っていると、膨らんだ袋がコロコロと転がる様子に気づき面白がったり、袋を自分と連結した電車にしたり。

「だれか乗りませんかー。」と大きな声でアナウンス。

袋の中にボールや石ころを入れると、お客さんの乗車です。

袋の口が閉じていないためか「おっこちないように、乗っていてください。」と言いますが、引きずられる袋の中でボールや石ころはうまい具合に転がりながら落ちずに引っ張られていくのでした。

特別なものや仕掛けはなく、身近なものと自分の体を使って遊び、小さな気づきや感覚をおもしろさにして遊び続ける子どもたちにただただ感心するばかりです。