月曜日、とても風が冷たく寒かったので体を動かして遊びたいという保育者の思いと、ある子どもの思いを合わせて思い浮かんだ遊びが「助け鬼」でした。早速教えてみたところ、4、5歳組の子どもはたいそうおもしろがって、火曜日、木曜日、金曜日と(雨降りだった水曜日以外は)、毎日公園へ行くとこの遊びをしていたのでした。
ふだんから鬼ごっこは大好きでよくする遊びなのですが、いつもは捕まったら鬼になるので、鬼役がどんどん増えていくというルール。今回教えた鬼ごっこは、鬼役は「警察」、逃げる役は「泥棒」。捕まった泥棒は「牢屋」に入れられますが、仲間の泥棒に助けてもらえば(手と手でタッチ)開放されるというもの。はじめは戸惑う様子もありましたが、回数を重ねるごとに、仲間同士で連携を取り合うようになり、とても盛り上がりました。
「たすけて~!」
牢屋の見張りの警察がいない間に、助け(タッチし)に行ったり…
遠くから様子を伺っていたり…
回を重ねるごとに、一人ひとりの子どもの思いが行動によくあらわれているのが、保育者にも見えるようになって、この遊びの奥の深さを感じています。
例えば…
・自分が捕まることは想定できないのか、やたらと助けに行っては捕まる子どももいれ
ば、捕まりたくない様子で、呼ばれても全く助けに行かない子どももいる。
・助けに行っても、牢屋に入っている子どもがぼうっとしていて(捕まったついでに休
憩している様子)、助けに行った子どもがいら立っている。
・献身的に友達を助けに行った子どもが捕まり、必死で助けを求めても、友達はなかな
か助けにきてもらえず不満げ。
・警察役の子どもが泥棒を捕まえることをしながら、すっかり警察官になりきって「赤
信号で渡らないでください。」と言って取り締まりもして楽しんでいる。
・泥棒同士で連携し、警察を挑発して隙をつくって助けに行く。同様に警察同士も連携
を密に取り、挟み撃ちにしたり、牢屋を守りつつ泥棒を捕まえたり。
自分の役割にとても一所懸命なんだなと感じる子どももいます。自分の気持ちに一途なので、もめごとになったりもしています。が、自分たちで解決する力もついてきています。子どもたち一人ひとりのこと、または友達関係がよく見える遊びです。