冬休み明け、3歳児の遊びに「こま」を用意しました。両手のひらで軸をはさんでもち、こするようにして回転をかけて回すのです。
保育者がやってみせると、すぐに自分もこまを手にしてやってみる子どももいましたし、すぐには手を出さずに見ているだけだったり、敢えて別の遊びを始めたような様子の子どももいました。やってみたい!とだけ思って行動する子ども、難しそうだな、自分にはできないだろうなと思う子ども、子どもそれぞれ、こま回しを見ても思うことや考えることが違っているのだなと分かります。
それぞれのペースでこま回しに挑戦していき、ついに3歳児全員が回せるようになりました。その背景には友達関係がずいぶん影響していることが分かりました。こま回しに消極的だった子どもは、保育者に誘われたりしながら少しずつこまに触れるようになりましたが、最終的には好きな友達が回して遊んでいる様子を見て、自分から進んでこまを手にするようになり、回せるようになったのです。
友達同士で関わり合うようになり親密になり、一人一人が影響し合って成長していく3歳児の成長の姿です。
最初は色のついていなかった「こま」ですが、色をつけることで(回転が見える、色付けすることが楽しい等)興味をもつ子どももいるだろうと考え、こまは個人持ちにして色付けしたのです。
色をつけて回してみると「色も回ってる!」と喜んでいたり、保育者と一緒に色が変わっていく様子を見たりて、こまのおもしろさを感じていく様子が見られました。
ろくろを回しながら絵付けする職人のように、回っているこまにペンを近づけて色付けする子どもがいたり、一度色付けしたら終わりでなく、何度も塗り替えたりして、大人の発想をはるかに超えて遊びを楽しむ子どもたちです。
床の上だけでなく、畳、積木の上、玄関のたたき等でも回ることを確かめ、「ここだとよく回る」と言ってみたり、こまをさかさまに持って回してその動きのおもしろさを友達や保育者と一緒に楽しんだり、楽しさが広がっています。
自分にもできるつもりで、見よう見まねでやってみる2歳児もいますが、うまくいきません…。その現実を受け止める2歳児の姿にも感心しています。