どんぐりころころの教育ってどんな教育…子どもたちはどんな子ども…~続き~

 24日に伺ったある短大では、幼児園どんぐりころころの教育について、たくさん写真をお見せしながら話ました(「どんぐりころころだより」もお渡ししました)。話し終わるとだいたい1時間経っており、しゃべり過ぎたかなあ…と反省。保護者会でも行ったように「おやつ体験」をしてもらいながら、質疑応答の時間。最後に授業の感想をレポートとして提出してもらうという内容でした。レポートを読むと、短大の専攻科12名の学生さんたちがどんな風にどんぐころころの教育や子どもたちを理解してくださったのかが分かりました。

 レポートから一部抜粋させていただきます。

・私は子どもの創作活動について研究していますが、どんぐりころころの子どもたち 

 は、外で自分が見つけた木の実や葉っぱを使って何かを作るという体験をしてい 

 て、保育者が用意したものを使っていいということではなく、自分で材料を見つけ

 るところから創作活動が始まるという点に面白さを感じた。

・(先生方は)子どもたち一人一人の姿を温かく見守り、向き合っていると感じました。

・その子のペースを大切にし、自分でやるという気持ちが芽生え、自分でやるこ  

 とを大切にすることは大事なことだと思いました。

・「どんぐりころころだより」を読んで、(私の知っている)幼稚園や保育園よりも

 先生が子どもと深く関わっているため、子どもたちの姿を見ることができるのだと 

 思いました。

・子どもたちの姿を写真で見たり、お話を聞き、(先生方は)子どもたち一人一人の

 思いや姿を大切にしているのだと思いました。

・散歩の時に、手をつながないで歩かせるというのは聞いたことがなかったので印象

 に残りました。散歩の時に子どもたちが自由に動いて見たいものを見る方が色々な

 体験ができて良いなと思いました。

・散歩は、公園など目的地に行くまでにも色々なものがあるだろうし、一人一人見た

 いものは違うと思うので、その瞬間の出会いを大切にしたいと思いました。

・子どもだからと何でもしてあげるわけではないのだと改めて思いました。

・とてもとてもおもしろいなあと思いました。写真を見て、ああ、いい所だなあと

 思いました。

・普段の生活の中にあることやものに対して、意味を見出していくことも必要だと改

 めて気付かされました。

・同じ道を歩くけれど、飽きるのではなく新しいことをしたり、面白いものを見つけ 

 たりという子どもたちの姿が写真から感じられて、大人が無理に働きかける必要は

 なく、子どもたちを見守ることが大切なのだなと感じた。

・どんぐりころころの子どもたちは、道草、寄り道が当たり前で、写真の子どもたち

 も楽しそうに自由に歩いているのが印象的でした。小規模なことや環境に恵まれて

 いるからこそできることなのだと思いました。

・公園では、遊具を利用したり砂遊びをたりする以外に、落ちている植物の実を

 拾ったり地面に絵を描いたりする遊びもあるということを聞き、子どもたちは五感

 を働かせて全身で遊んでいるのだなと思いました。公園の中も天気によって様々な

 遊びががるのだなと感じました。

・地域の方、保護者の協力もあって成り立っているということがよく分かりました。

・話を聞いて、子どものリズムに合わせた生活なのだと感じた。子どものやりたいこ

 とをできるだけ保障していくということは口で言うのは簡単だけれど、つい手が出

 てしまったりと難しいことなのではないかと思った。

・どんぐりころころは、本当に子どもたちが主体となって活動しているので、子ども

 たちが育つ場所だと思った。保育園や幼稚園は子どもたちを主体に、という方針を

 掲げていたとしても、人数の関係等で保育者が主体となってしまうことがありがち

 だと思う。

・地域の人々に散歩の途中で出会い、会話をする事などにより、地域のとの関わりも 

 できて、子どもたちを地域のみんなで育てるという雰囲気ができるきっかけにもな

 るのではないかと思った。

・私はあまり子どもに何かを強制させるようなことはやりたくないと考えているので

 すが、何人もの子どもを保育するとなると、子どもを管理、把握するために大人の

 都合で動いてもらうというのは仕方のないことなのだろうと思っていました。しか

 し、幼児園どんぐりころころの保育内容を見て、普通の幼稚園や保育園とは違う部

 分も多く、とても新鮮でした。どんぐりころころのような保育を行うことで、子ど

 もたちものびのびと日々の生活を送ることができ、自分でやりたい/やりたくない

 や、やる/やらない等の判断をすることで、判断力や自立性が身についていき、と

 ても精神的にも成長できてよいと思いました。

帰りの会で、読んで欲しいと子どもが選んできた絵本を保育者が読むというのがよ 

 いなあと思いました。私も保育者になったら、やってみたいです。

・写真を見せていただいた中で、強制することなくのびのびと保育を行っているから

 こそ見ることのできる子どもの姿を見る事ができたように感じました。

・お話を聞いていて、保育観や保育方針がとてもよいと思い、私も保育者になった

 ら、子どもの自主性を尊重し、強制や禁止があまりないような保育をしたいと思う

 と共に、そのような職場に勤めたいと改めて強く感じました。

・今まで実習で行った幼稚園や保育園と異なっている点が多くあり、驚きました。本  

 来の散歩は好きなように歩き、時には道草もしながら楽しむものだと感じました。 

 おやつも子どもたちが自分で決めて選べるようにしており、保育者が何でも決めて 

 しまうのではなく、保育者がそばで導き、子どもが主体となる保育をされているこ

 とを強く感じました。

・子どもたちに豊かな自然体験を保障することは、保育者にとって非常に大切なこと

 で、子どもたちは自然を通して様々なことを吸収し、成長しているのだと分かりま 

 した。

・安全を確保しつつ、子どもが自由に歩けるようにというスタンスが、私はとてもい

 いなと思いました。もちろん、道路や自然環境においては、多くの危険もあると思

 いますが、子どもの興味を尊重し、好きなように動けるように配慮している点が素

 晴らしいと思います。

 

 学生さんたちには、どんぐりころころについておおまかな話しかできなかったのですが、一般的に認知されている幼稚園や保育園との違いを中心に、自然等の外の環境と子どもとの関係等、どんぐりころころの特徴を理解してくださったようです。

 今後も、幼児園どんぐりころころの教育、どんぐりころころの子どもたちの育ちについて、一人でも多くの方に知っていただけるよう、努力しなくてはならないと思いました。